この記事は
「どうして高齢者がヒートショックになりやすいの?」
「ヒートショックってどうして起こるの?」
「高齢者以外はヒートショックにはならないの?」
「ヒートショックにならないための方法を教えて!」
「サウナでヒートショックにならないの?」
といった疑問や悩みを解決する記事になっています。
冬は家のお風呂で溺死する人が多いと知っていますか?
それも約9割が65歳以上の高齢者です。その原因がヒートショックだといわれています。
ここでは高齢者がヒートショックを起こしやすい原因とその予防法について解説しています。
ヒートショックとは
ヒートショックは周囲の急激な温度の変化によって失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こします。
冬の寒い時期に暖かい部屋から寒い浴室などに移動すると血圧が大きく変動します。
この血圧の急激な変化が失神や心筋梗塞、脳卒中を引き起こすのです。
人間の体は周りが寒くなるとぶるっと筋肉を震わせて熱を作ります。
同時に血管を細くして体の熱が逃げないように血液の流れる量を減らします。それにより血圧が上がります。
逆に暑くなると血管を拡げて血液の量を増やすことで血圧を下げます。
この血圧の変動が急激に起きるのが寒い時期の家のなかです。
暖房がついている暖かい部屋と暖房がついていない浴室やトイレの温度差は10℃以上だといわれています。
特に入浴は脱衣所や浴室、湯船と寒い場所と暑い場所の行き来が多いため血圧の変動も激しくなりヒートショックになりやすいです。
ヒートショックになりやすい人
- 高齢者
- 狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞になったことがある人
- 高血圧、糖尿病、動脈硬化になりやすい人
- 肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈の人
- 飲酒後にお風呂にはいる人
- 熱い風呂にはいる人
- 30分以上湯船につかる人
- 浴室やトイレに暖房設備がない
ヒートショックは血圧の急激な変化によって引き起こされます。
血圧変化が起こりやすい人、血圧に関連する病気や症状がある人は注意が必要です。
浴槽で亡くなる人の約9割が65歳以上の高齢者です。
そのなかで1月をピークに11月から4月の寒い時期に多く亡くなっています。
高齢者がヒートショックになりやすい理由
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高齢者は体温の調節機能が低下して暑さ寒さを感じにくくなっています。
高齢者が熱いお風呂に入っても平気なのはそのためです。
通常の温度より熱いお風呂に入ることで、さらに血圧の上下の差が大きくなるのです。
また、血管が硬くなり収縮も弱くなっています。
寒くなると血管を広げて血流を良くする。暖かくなると血管を狭くして血流の流れを抑える。
この血圧を正常に保つための血管機能が追い付かずに血圧の変化の差がさらに大きくなってしまいます。
そのためヒートショックになりやすくなってしまうのです。
ヒートショックが起こりやすい状況
- 入浴
- トイレ
- 起床
- ゴミ出しなどのちょっとした外出
- サウナ
ヒートショックが起こる時期は冬場の寒い時期です。そして室内の暖かい場所から寒い場所に移動したときに起きます。
fa-check-square-o入浴
お風呂に入るときは
リビング(暖かい) → 脱衣所(寒い) → 浴室(寒い) → 浴槽(暖かい) →
浴室で体を洗う(寒い) → 浴槽(暖かい) → 浴室(寒い) → 脱衣所(寒い)
といったように暖かいと寒いを繰り返すため血圧が急激に変動してヒートショックが起きやすくなります。
fa-check-square-oトイレ
トイレも暖房器具が設置されていないことが多いため寒い場所です。
さらにトイレでいきむと血圧が上昇し、排便後は急激に血圧が下がります。
また男性の場合は立った状態で小便をすると腹圧がかかり血圧が上昇することがあります。
fa-check-square-o起床
暖房をつけていない寒い部屋の場合、起きて布団から出ると
布団の中(暖かい) → 布団の外(寒い)
となり血圧が急激に上昇します。
fa-check-square-oゴミ出しなどのちょっとした外出
温度差が10度以上の寒暖差がヒートショックを起こします。
ゴミ出しなどのちょっとした外出でも暖かい家から冬場の寒い屋外へでると血圧が上昇するので注意が必要です。
fa-check-square-oサウナ
サウナに入ったあとの水風呂も一気にからだが冷やされるためヒートショックが起きやすくなります。
めまいや立ちくらみは「ととのう」ではなくヒートショックの症状なので注意してください。
ヒートショックの予防法
ヒートショックは血圧の大幅で急激な変動によって引き起こされます。
なので急激な血圧の変動がおきないようにしなければいけません。
fa-hand-paper-o入浴
・脱衣所と浴室を温める
できるだけ温度差が小さくなるように脱衣所や浴室を温めましょう。
暖房設備がない場合は浴槽のお湯をシャワーを使って高い位置から入れたり、お湯を張った浴槽に蓋をしないようにして浴室内を温めましょう。
また床にすのこやマットを敷いたり、一番風呂を避けて人のあとに続けて入ることで浴室内が温まった状態で入浴できます。
・お風呂の温度を低めにする
湯船の温度が高いと温度差が生じるため38~40℃程度の温度にして徐々に温めるようにしましょう。
ただし、42度以上だと心臓に負担をかけてしまうので熱くなり過ぎないように注意しましょう。
・湯船につかる時間は10分程度
長い時間湯船につかると心臓に負担がかかります。10分を目安に湯につかってください。
・お風呂からゆっくりと出る
入浴時は血圧が下がっている状態です。急にお風呂から出ると脳まで血液を運ぶことができずにめまいを起こします。
お風呂から出るときはゆっくりと立ち上がりましょう。
・飲酒後、食後の入浴は控える
飲酒後、食後は血圧が低くなっています。血圧の大幅な変動の原因になるので、食後ならば1時間程度あけて、飲酒後であればアルコールが抜けてから入浴しましょう。
・入浴前に同居者に声をかける
万一の場合に同居者が異変を気付けるように入浴する前には同居者に声をかけるようにしましょう。
fa-hand-paper-oトイレ
・トイレを温める
トイレには通常暖房設備がありません。なので足元に置く小さなヒーターや人が入ると感知して温風がでる暖房器具を置きましょう。
また便座カバーやマットを敷いてできるだけ寒さを感じないようにしましょう。
・寒くない格好をする
上着を羽織ったり、靴下やスリッパを履いてできるだ温度差を小さくするようにしましょう。
・いきみ過ぎないようにする
用を足す際にいきむと血圧があがり、用を足した後は急激に血圧が下がります。いきみ過ぎないように日頃の便秘対策が重要です。
fa-hand-paper-o起床
起床時間にタイマーで部屋を暖めておくといいです。
もしくは布団やベッドの近くにすぐに羽織れる上着と靴下やスリッパを準備して着こんで体を暖めたまま布団をでるようにしましょう。
布団からでる前に布団の中でストレッチをして体を暖めてでるのも効果的です。
fa-hand-paper-oゴミ出しなどのちょっとした外出
ちょっとした外出でも寒暖差を少なくするためにしっかり強姦対策をするようにしましょう。
fa-hand-paper-oサウナ
サウナのあとに水風呂に入るときはすぐに入らず、ぬるめのシャワーかかけ水をして体をゆっくりと冷やし足の方からゆっくりと入りましょう。
まとめ
- ヒートショックによる事故は65歳以上の高齢者がほとんど
- 時期は11月~4月の寒い時期。
- 場所は室内でとくに入浴時とトイレで起こる。
- 高齢者は寒さや暑さを感じにくくなっていることが原因でヒートショックが起こりやすい。
- 予防法は極端な寒暖差をなくすために着こんだり、寒い場所を暖かくする。
ヒートショックは適切に予防すれば防ぐことができます。
その日のヒートショックのリスクを目安にした「ヒートショック予報」を日本気象協会と東京ガスの2社で共同開発されています。
ぜひ活用してヒートショックを未然に防ぎましょう。